夫と子どもが二人いる60代の主婦です。実家の家族が他界し、実家を整理するのに総額200万円弱かかりました。その経験から、自分自身のため、子どものために「ポジティブな終活」に励んでおります。
両親と姉が他界し法定相続人となったため、実家の整理を私が行うことになりました。
最も困ったのは「不動産の処分」です。土地柄、売却は厳しく、他に資産らしいものもなかったため、相続を放棄しました。土地を放棄した後も、次に管理する人が見つかるまでの間は、その土地を管理する義務があります。
そのため、相続財産管理人(※)を選任する必要がありました。その手続きや弁護士への予納金などで総額100万円ほどかかりました。
このような経験から、子どもたちへの負担を軽くするために、現在「終活」をしております。
“もしも、不動産が不要ならば、2023年4月27日から新しく施行される「相続土地国庫帰属制度」の利用をしてみては?”と子どもたちへ提案しました。
従来のように相続放棄をしてしまうと、負債も含めたすべての資産や不動産を放棄する必要があります。一方で、この新しい制度では、土地以外の資産の相続をすることができて、かつ不要な土地だけを手放して国庫に帰属させることができます(ただし、10年分の土地管理費の支払いが必要で、更地にする必要もあります)。
国庫に帰属させてしまえば、その土地の管理義務はなくなります。土地の価値や相続の内容によっては、放棄する方がよい事もありますが、覚えておいて損はない制度だと思います。
また、以前に実家の墓じまいの費用に90万円ほどかかっていました。ですので、義父母が眠るお墓は、夫の代で墓じまいをすることにして、私たち夫婦は永代供養墓の生前契約をしました。
生前に管理費用を一括で支払ってしまえば、その後に管理費が掛からないプランにしました。これで、子どもたちへの負担が少なくできそうです。
私らしく余生を過ごし、私らしく最期を迎えること。子ども達へ迷惑をかけないこと。そのために「終活」はとても大切です。
※相続財産管理人…遺産を管理して、遺産の清算を行う人