現在60代の男性です。子ども二人は巣立ち、妻と二人で静かに生活をしておりましたが、この度、熟年離婚を経験しました。現在は地方都市で一人暮らしをしております。町内の老人会に参加したりして、孤独を紛らわし、余生を過ごしております。

 

私は現在60代。まさかこの年になって、妻に「離婚届」を突き付けられるとは夢にも思っておりませんでした。妻とは10代の時に入籍し、半世紀の間、苦楽を共にして参りました。学がない私でしたので、朝から晩まで家族を支えるために頑張ってきたつもりです。

しかし、私はいわゆる昭和の頑固おやじタイプで、家事・子育ての類は一切手伝わず、妻に任せきりになっていました。次男が酷い反抗期だった時も、仕事を理由に聞く耳を持ちませんでした。

子どもが巣立って定年を迎えた後も、私は態度を改めることなく、妻が炊事や家事をしてくれることを当たり前と思っていました。もう退職をして、忙しい理由はなくなったのに。

そんな私に、妻はとうとう我慢の限界を感じたのでしょう。“私はあなたの家政婦じゃない。私にも私らしく生きる権利がある”と、離婚を切り出されました。私はショックで、何度も話し合い、説得を試みましたが、妻が首を縦に振ってくれることは、ついにありませんでした。

今まで、妻を思いやれなかった分せめてもの懺悔と思い、離婚に応じることにしました。失って初めて、妻のありがたみを感じ、自分の愚かさを痛感しました。

一人暮らしが始まり、自炊にチャレンジするも、どうにもうまくいきません。結局、大半はスーパーの値引きされた総菜やお弁当を食べています。洗濯はうまくやっていますが、掃除は苦手です。

ゴミ出しが面倒で、ため込んでしまうこともしばしば。水回りは月に1度くらいしか掃除をしないので、とても清潔とは言えません。時々、心配して様子を見に息子が訪ねてきてくれますが、叱られるありさまです。

 

妻がいてくれるだけで、何気ない会話が楽しめましたし、そこに笑い声がありました。それが今では、むなしくテレビの音が響くだけです。妻の大切さに気付くのが遅すぎました。勝手に絆があると思い込み、感謝を怠ってしまったのです。

ひとりはとても寂しい。もしも、心当たりがある人は、今日から感謝を伝え、行動に移してみてください。

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