子供2人の女性です。子どもたち二人は上京し、夫と私、高齢の義父母の4人で、一つ屋根の下に暮らしておりました。義父母が他界するまでの数年間、経理関係の仕事をしながら、毎日、義父母のお世話にてんてこ舞い。振り回されっぱなしでしたが、自分なりにサポートしたつもりです。
義父は癌。義母は胃ろう。どちらも80代の後期高齢者です。気難しい二人でしたが、老いには適わず、年を追うごとに衰え、終末期には病に蝕まれました。
ある年、義父に癌が見つかり、闘病生活が始まりました。入院や通院、そのほか心のケアなど、身の回りの一切をほとんど私が担っていたと思います。実の息子である夫は、奔放すぎる自由人だったゆえ、あまり頼りにはなりません。
大病を経験して、すっかり弱気になってしまった義父。私がいないと不安になってしまう様子で、“何時に帰ってくるのか” “家を空けないでほしい”と、しきりに言うようになり、お友達との交流会にも参加できず、とにかく自由に外出できませんでした。
翌年、今度は義母が体調を崩し、入院することになりました。老衰によって食が細くなってしまったため、「胃ろう」が必要になりました。自宅での栄養剤の注入や器具のお手入れなど、新しく覚える事は盛りだくさん。医療関係者でない普通の会社員の私には、少々荷が重すぎました。
また、義父母はそれぞれ別の病院へ通院していたため、病院をハシゴすることもしばしば。入院しているときは、お見舞いや洗濯物の持ち帰りといった雑用など、とにかく時間が足りません。衛生面には細心の注意を払っておりましたが、義母の胃ろうの周りの皮膚が膿んでしまうことも。“私のやり方が悪かったのかな?”と落ち込みました。
そんな生活が数年続き、とうとう義父母は他界しました。本当に振り回されっぱなしの毎日でしたが、亡くなる直前に“〇〇さん、ありがとうね”と言ってもらえて、すべて報われた気がします。