私は現在68歳。定年退職を迎えるまで、「独身貴族」として頑張ってまいりました。子どもにお金がかからない分、老後も安泰だろうと高をくくっておりましたが、人生とは計画通りにいかないものです。残された人生を私らしく生きるために、資格の習得に励んでおります。
「老後貧困」という言葉を聞いたことはありますか?現代社会において、2人に1人の高齢者が、経済的な生活苦を感じているそうです。かくゆう私もそのひとり。
再雇用制度を使って65歳まで勤め上げ、その後はゆっくりと老後を過ごすつもりでした。しかし、退職後、想定外の事態が私を襲います。
一つ目は、ステージⅡA期の肺がんを患ったことです。幸い、手術で病巣を取り除くことができましたが、治療に月10万円ほどかかり、貯金を切り崩すこととなりました。
二つ目は、住んでいる分譲マンションの管理費と修繕積立金の値上げです。築40年以上のため、修繕費がかさみます。しかし、入居者が減ったためにその資金が不足して、残った入居者に増額の相談が来ます。高齢者ばかりのマンション故に、それを拒む人も多いです。私も、正直余裕はありません。
思った以上に老後資金の減りが早かったため、再就職を決意しました。駐車場や工事現場の誘導員などの体力系の仕事が多く、なかなか希望の仕事を見つけられません。
一人で解決できそうもなかったので、初めて派遣会社に登録をしました。担当スタッフの方がとても親身になってくれて、体力系の仕事は避けたいと伝えたところ、資格の取得をすすめてくれました。
「レクリエーション介護士」という資格があるそうです。60代でも取得が可能で、高齢者に生きがいや喜びを感じてもらい、認知症の予防等をサポートする仕事に必要な資格だそうです。このお仕事ならば、同年代との接点を持てますし、介護の現場を目の当たりにすることで、これから待っている近い未来の準備もしやすくなります。
人に相談することで、第二の人生の生き方の活路を見いだせたように感じます。一人で悩まずに、物事を多角的に、柔軟にとらえることは、とても大切でした。何歳になっても、人は頑張れるものですね。