69歳、男性です。大手建築事務所を定年退職し、その後は、再就職やフリーランスをして今に至ります。子供2人は既に独立して、夫婦で暮らしています。生計補填の求職活動のほか、地域のボランティア活動にも参加しています。
シニアと呼ばれる年齢になりました。日常の生業的な仕事からは離れた今、生まれた地域や生活している地域において、何も貢献してこなかったという反省がありました。
そのため、少しでも地域に貢献できることとして、自治体図書館でのボランティア活動を始めました。
シニア世代の地域社会でのボランティア活動には、
1)自治体、町内会などの自治組織の活動
2)趣味などを通じたグループ活動や社会奉仕
3)まちづくりや地域安全などの活動 等があります。
「社会とのつながり」や「生きがい」を求めたこうした活動は、多くが「無償」を前提とした活動です。
しかしながら、少子高齢化が加速し、人手不足が叫ばれる時代において、このような活動は、ますます重要視されるようになってきました。
このように、シニア世代に期待される「地域社会への参加」ですが、活動の主体が高齢化しているにもかかわらず、世代交代が進まない現状があります。
また、活動メニューの固定化によって、地域生活者の新しいニーズにもマッチせず、活動が停滞化している状況も見受けられます。
このような観点から、私は、2つの事を期待しています。1つは、シニア世代の、多様で深い経験や能力を持つ人材の有効活用です。
人々の新たな生活ニーズや地域の新たなシーンに、きめ細かく役立てることができると思います。
モザイク的な人材を浮き彫りにできる登録制度や、その活動が発展してほしいと感じています。
2つ目は、全ての参加活動経費を自前に任せるのではなく、一部でも有償とする「有償ボランティア制度」が普及することに期待しています。
なぜならば、ボランティアと労働の違いは報酬の有無ではなく、自発的な意思や強制性の有無にあるとされ、「ボランティア=無償で働くこと」ではないからです。
まだまだ立派に経済活動に役立つ人材を、地域社会に受け入れるためにも、この2つは必要な観点だと考えています。