54歳で会社を早期退職しました。「経済的自立」と言えるほど資産はないですが、再就職はせずに残りの人生を過ごすつもりです。
私は、54歳で早期退職制度を利用して会社を退職しました。
この会社には27歳で入社し(2社目の就職先)、昭和の時代から続く「終身雇用制度」に何の疑問を感じずに、サラリーマン生活を過ごしていました。
しかし、自分は、結局その制度を全うすることなくリタイアしてしまいました。いろいろと考えているうちに、この「終身雇用制度」が「そんなに素晴らしいことなのか?」と、疑問を持つようになったのです。
もっとも「終身雇用制度」という言葉自体、今の時代は死語になりつつあります。
ただ、それでもなお、日本社会では「1つの会社に長く勤めているほうが社会的信用がある」などという表現をすることが、いまだに多いです。
つまり、社会全体として「矛盾」があるわけです。
「終身雇用制度」と聞くと、多くの人が口を揃えて「安心だ」と言うでしょう。ただ、サラリーマンを辞めた今、私は「一生その会社に支配されて生きる奴隷」としか思わなくなりました。
仕事をする日、休みの日、昼食時間、会社に拘束される時間、給与、働く場所、所属部署(仕事内容)・・・これらをすべて会社に決められてしまいます。
どんなに自分が嫌でも、組織の「歯車」にならなければいけません。そして、それに我慢して与えられるのが報酬です。
その報酬からも所得税や住民税などが引かれ、「日々精神をすり減らして働いている対価に見合ったものか?」ということも、いつの間にか分からなくなってしまいます。
それでも昔は、一般的なサラリーマンにとって、それが当たり前と思われていました。
しかし、ネットも普及し、誰でも在庫などのリスクなしで、スモールビジネスを始めることが可能になった現在においては、「終身雇用制度」というのは、魅力でも何でもないものになっていると、考えざるを得ません。
54歳の私ですらこれに気づいたのですから、今の若い方が魅力を感じないのは当然でしょう。この先、日本の企業は、長く働いてくれる優秀な社員を繋ぎとめる策を講じる必要に迫られていると言えます。