55歳で22年勤めた会社を早期退職して、1年が経ちました。ようやくリタイア生活に慣れ、第2の人生を前向きに考えられるようになった今日この頃です。
1年前に自分が会社を早期退職した時、1年後の自分がどうなっているか想像が出来ませんでした。大学を卒業後、2度目の転職先で20年以上働き、以前は定年まで働く気持ちでいました。
しかし、会社が2、3年前から露骨に50代社員の居場所をなくすような人事配置を始めました。居心地が悪くなり、私は逃げるように辞めました。従って、退職後のことをほとんど考えていなかったのです。
退職後の1年を振り返ると自分の気持ちは最初にズドンと落ち込み、それが4か月を過ぎた後から徐々に回復してきたました。退職後は、家計支出面を大幅に見直さねばならず、最初は「このまま貧乏になる」と思いました。
しかし、徐々に税金が会社員時代ほどかからないことも学び、今までいかに無駄遣いをしていたかなども認識するようになりました。その結果、少しずつ金銭面の不安はなくなっていきました。
私が金銭面でリタイア後に気付いたことは、組織に属していると拘束や人間関係のストレスで「何が無駄で何が必要か」が分からなくなっていたということです。
私はリタイアされた先輩方のユーチューブ動画やブログで前向きな心境に運良く変わることが出来ました。しかし、そうでなく苦しんでいるシニアがたくさんいるのが実態です。
収入がサラリーマン時代の半分や3分の1になり、家庭でも居場所のなくなったシニアもいます。「いったい自分の人生は何だったのか?」と、長く会社で頑張ってきた報いがないことに絶望する方も多いです。
先日、私と同時期に退職した方(私より5歳上)に、偶然駅で会いました。少し話をすると、「会社員の時は楽しかったね。今は贅沢も出来ないし何もやることがない」と、嘆いていました。
この方は課長職だったので、部下に指示するなど、仕事にやりがいを感じていたのでしょう。話ぶりから、昔を懐かしんでいる様子なので、この先の希望を見つけられていないように感じました。
近年、多くの企業がベテラン社員を早期退職で追い出しています。これについて、政府は何の対応もしていないように思います。
用なし社員には割り増し分の退職金を渡して「ハイさようなら・・・」日本社会はホントにこれでいいのでしょうか?
この先、高齢者の人口はさらに増えていきます。しかし、生きていて何の生きがいも感じないシニアが増えてしまうと、将来の日本は明るくないと思います。